ダ・ヴィンチ思考ラジオって何?
FMラジオ川越で「ダ・ヴィンチ思考ラジオ」のパーソナリティをしている桜川Daヴィんちです。「ダ・ヴィンチ思考ラジオ」は、2022年1月にスタートしたラジオ番組で1周年となりました。「万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチのように、“才能を開花し、チャンスを引き寄せる”にはどうすればいいのか」にフォーカスし、いろいろな分野で活躍されているすごい方をゲストにお招きし、成功マインドについて学ぶ番組です。
ダ・ヴィンチ思考ラジオHP
https://jlyvw.hp.peraichi.com/
毎月第4金曜日の深夜に放送していますが、2月24日(日曜日)24:00〜24:30にお越し頂いたゲストは累計100万部を超えるベストセラー作家の喜多川泰さんです。
喜多川さんの作品は、映画化もされており、日本はもちろん世界にもファンがいます。
どのような経緯で作家になれたのか、そして人生がうまくいく秘訣も教えて頂きましたので、よければラジオを聞いてみてください。埼玉県川越エリアでの放送ですが、レディモというアプリをダウンロードすれば、全国どこでも聞くことができます。
レディモ
私はラジオの収録をしたことがご縁で、2023年1月28日、奈良で行われた喜多川さんの講演『世界はあなたから変わる。〜人生を笑って旅しよう』に参加してきました。
その際、語られていた夢についてのお話が、レオナルド・ダ・ヴィンチの行動習慣とリンクするところがあり、今回の記事のテーマは、“夢を叶える本当のルート”にしてみました。
夢は、叶えたら幸せになるのか?
「夢を持ちましょう」というのは、よく聞くセリフです。それに、よくない印象を持つ人は少ないでしょう。では、そもそもなぜ、夢を持とうと言うのかといえば、夢があるとやる気が湧くし、実現に向けて行動しようという気になると考えているからです。
夢を持つ前提には、「夢を叶えれば幸せになれる」という暗黙の了解があります。さらに、多くの場合、夢は“なりたい職業”に紐(ひも)づけられます。
では、なりたい職業に就くことができて夢を叶えた人は、みんな幸せになっているのでしょうか。
2015年にミシガン州立大学で、「好きなことを仕事にする者は、本当に幸せか?」というテーマで研究調査が行われました。
出典:Patricia Chen, Phoebe C. Ellsworth, Norbert Schwarz(2015)Finding a Fit or Developing It: Implicit Theories About Achieving Passion for Work
その結果、なりたい仕事についた最初の頃は幸福度が高いものの、時間が経過すると幸福度が下がることが報告されています。その理由としては、どんな仕事も好きなことばかりではなく、トラブル対応などの面倒な事態が発生します。また、高い理想を掲げて好きな仕事をイメージしていると、その分ギャップを感じてしまいます。そのため、夢を叶えたはずなのに、残念ながら「なんか違う」と違和感を感じている人も少なくありません。
では、一体どうすれば幸せになれるのでしょうか?
いつの間にか刷り込まれた価値観
とりあえずなりたい仕事を決めて就職を目指す。仕事を始める上で、多くの人がたどるルートです。特にそれ自体は悪いことではありません。
しかし、偏差値偏重の学校教育を受けた私たちは、「できるだけ少ない労力で早くゴールにたどり着くことが善であり、最短ルートを進むことこそが優秀の証である」というような価値観を植えつけられていることがあります。
たとえば、テスト前に山勘で範囲を絞って勉強したり、過去問で傾向をつかんでテストに出そうなポイントを決めて対策をたてたりします。その結果、思うようにいい成績が取れた人は要領がいい人といえますが、果たしてその時、一夜漬けで勉強したことは今も覚えているでしょうか?
おそらくほとんどの人が忘れていると思います。その一方で、中にはテスト勉強そっちのけで資料集の注釈まで細かく読んでいる人もいます。おそらくテストには出る確率は低いけれど、自分の興味の赴くままに読んでいるため記憶に残りやすくなります。大人になってから、いつか思い出して話のネタになるかもしれません。
喜多川さんの講演で最も印象的だったお話は、“轍(わだち)の橋をかけるな”でした。
轍というのは、タイヤの跡のことです。たとえば雪道を自転車で走ったとすると、細いタイヤの跡ができます。自転車はタイヤの幅さえあれば前に進むことができます。
轍の橋とは、その細いタイヤの幅しかない橋のことをいいます。最低限、渡るのに必要な橋を作った方が建造の材料も少なく、労力も最小限で済みます。
では、このタイヤ幅の橋を自転車で渡り切ることができるのかというと、理論上イエスですが、実際はノーです。
よほどの曲芸師なら別ですが、ほとんどの人は途中で脱輪して、向こう岸まで渡り切ることができません。
つまり、ここで言われていることは、視野を狭く効率主義で物事を考えるのではなく、時には脱線も自由に楽しみながら進んでいこう、ということです。
行動→やる気→夢
冒頭に、「夢があるからやる気が湧く、やる気が湧くから行動できる、だから夢を持つことが大切だ」とありましたが、もし自分が想定している夢が幸せにつながっていないと初めからわかっていたらどうでしょう。
きっと誰も頑張る人はいないはずです。夢を果たすゴールが幸せでなければ、わざわざ努力する甲斐もないからです。
狭い視野で考えた夢で幸せを感じられる人は、轍の橋を器用に渡ることができる曲芸師くらいなのかもしれません。反対に、一度効率的な考え方を捨てて、一見ムダに見えることをやってみると、それまで自分が想像にもしなかった夢が見えてくる可能性があります。
だから別に夢は無理して最初に決めなくていい、いろいろと行動する中で見えてくるものなのです。
「夢→やる気→行動」ではなく、「行動→やる気→夢」こそが、自分をより豊かにしてくれる夢の在り方。次回は、それを自身の姿で実証したレオナルド・ダ・ヴィンチを通して学んでみたいと思います。長くなりましたので、後編はまた次回!
旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン 2023年 2月 公式掲載原稿
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/)