多くの人が誤解をしている、夢を叶える本当のルート(後編)

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◯◯の弟子になろう!

前回の記事、「多くの人が誤解をしている、夢を叶える本当のルート(前編)」では、夢に対して抱いている誤解について問題提起をしました。そして、夢めがけて一直線に進むよりも、あえてゴールを定めず、好奇心の赴くままに行動量を増やすことが大事であるということをお伝えしました。

多くの人が誤解をしている、夢を叶える本当のルート(前編)

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芸術家であり科学者として才能を発揮したレオナルド・ダ・ヴィンチは、万能の天才として知られています。アートの分野だけでも、絵画、彫刻、音楽、演劇、服飾デザイン、建築と、多岐に渡って精力的に活躍しました。日々、天才は一体どんなことを心がけていたのかというと、こんな言葉が残っています。

「経験の弟子レオナルド・ダ・ヴィンチ」

これは、ダ・ヴィンチ自身がノートに書き残している言葉です。ダ・ヴィンチは何かを習得する際、その道の師匠から教えてもらったり、読書家だったので本からもたくさん学んだりしていました。しかし、最も重視していたことは、まず自ら積極的に経験をすることだったのです。

面白そう!と感じたことは、それが将来的に何につながるのか? 就職に役立つのか? ということを考えずに、とにかく没頭していきました。ダ・ヴィンチのノートを読んでみると、実にたくさんの発明や様々な関心事項が書き留められています。そのアイディアは、必ずしも実現されたものばかりではなく、ほとんどは絵に描いた餅で終わりました。でも、それは単なる無駄ではありません。人の2倍、3倍行動をすることで、他の人は誰も追いつけない領域にたどり着きました。

世の中には、2匹のカメレオンがいる

ダ・ヴィンチが好んで読んだ本の中に、イソップ童話があります。経験の弟子であるダ・ヴィンチは、ただ「面白いな〜、ためになるな〜」と本を読んで満足するのではなく、自分ならどんな物語を書けるだろうかと考え、実際に動物に喩(たと)えて独自の文章を書き残しています。パリ手稿というノートには、2匹のカメレオンが登場します。

「カメレオン この生き物は、常に周囲の物の色に変色する。だから、しばしば、象によって葉と一緒に呑み込まれてしまう」

「カメレオン この生き物は、空気を食べて生きており、空中ではあらゆる鳥に襲われる。そこで安全地帯を求めて雲の上まで飛んで行き、自分を追いかけてくる鳥が耐えられないほどの薄い空気に到達する。このような高みでは天賦の才がある者しか生きていけないから、カメレオンはそこに飛んでいくのだ」

前者のカメレオンは、私たちがよく知っている、変色して周囲に溶け込むカメレオンです。カメレオンは、敵に見つからないように色を変えます。ところが、ダ・ヴィンチはそんな敵から逃れて変色したカメレオンでも、最後は象に呑み込まれてしまうと言っています。

象は非常に力の強い動物です。それは、もしかするとどう動かすこともできない死を象徴しているのかもしれません。周りの目を気にして生きても、最後は皆死んでしまいます。

一方、後者のカメレオンは、ちょっと訳がわからない謎のカメレオンです。空気を食べており、さらには空飛ぶカメレオンなんて見たことがありません。ダ・ヴィンチがここで何を伝えようとしているのかというと、「常識にとらわれた生き方はするな」と解釈できるかもしれません。常識というレールから外れると、たいてい周囲から攻撃されます。

しかし、それにめげずに自分を信じて突き進んでいくと、誰も追ってこれない領域にたどり着きます。出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない。まさに、誰にもできない生き方をした万能の天才ダ・ヴィンチ自身のことを言っているかのようです。

ルネサンス人はなぜ多才だったのか?

レオナルド・ダ・ヴィンチに限らず、ライバルのミケランジェロも「ダヴィデ像」で有名な彫刻家として知られていますが、絵画や建築の仕事も請け負っていました。ルネサンス人は多才な人が溢れていましたが、当時は1つに絞った専門職というより、クリエイティブのことなら全部お任せの何でも屋さんだったのです。

さらに、芸術家は多才であるべきという教育もなされていました。
ルネサンスの典型的な万能人として知られるレオン・バッティスタ・アルベルティは、『絵画論』の中で、「画家はできるだけ、すベての学芸に通じているのが望ましい」と言い、幾何学や詩についても学ぶべきだと力説しています。

また、ダ・ヴィンチが愛読していた古代ローマの建築家であるウィトルウィウスが書いた『建築書』でも、具体的に学ぶべきことが列挙されています。

「建築家は、文章の学を解し、描画に熟達し、幾何学に精通し、多くの歴史を知り、努めて哲学者に聞き、音楽を理解し、医術に無知でなく、法律家の所論を知り、星学あるいは天空理論の知識を持ちたいものである」

ダ・ヴィンチが描いた『ウィトルウィウス的人体図』という、両手両足を広げた有名な人体図がありますが、それもこの建築書から影響を受けた作品です。

ルネサンスでは、このような万能教育がなされていたために、自然に多才になった人が多くいました。このことは、人間には無限の可能性があることを教えてくれます。自分という枠を狭めずに、新しいことに挑戦していきましょう。

人生は未知魅惑のパズル

自分はこれしかできないと思い込んだ夢は、もしかするとたどり着いた時に「何だこんなものか」と違和感を感じてしまうかもしれません。

一方で、最初からゴールを定めず、経験する中で見つけた未知の夢は、想像以上の世界に連れて行ってくれます。

人生とは、完成図が知らされていないパズルのようなもの。新しい経験をすることでパズルのピースが手に入ります。一つのかけらを手に入れては、わからないなりに一つをはめ込む、その繰り返しが人生といえます。

落ち込むような真っ黒なピースを手に入れても、最後に完成したパズルを見れば、必要なピースの1枚であったと気づくのかもしれません。実は、今まで手に入れたピース(経験)に無駄なことは1つもなかった、そう知らされるゴールにたどりつきたいものですね。

すべては自分の人生に必要なピースだ!

旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン    2023年 3月 公式掲載原稿 
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/) 

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