真珠のでき方とダ・ヴィンチから学ぶ自分らしく輝く方法【宝石偏①】

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才能を120%発揮するためのたった1つの根っこ

レオナルド・ダ・ヴィンチって何をした人ですか?という質問には答えに困ってしまいます。なぜかというと、あまりにも肩書きが多すぎるからです。

画家・音楽家・彫刻家・建築家・舞台演出家・発明家・都市プランナー・軍事コンサルタント・解剖学者・地質学者・流体力学者・植物学者・哲学者・ソムリエ・動物愛好者…。

怪人二十面相のような多面的な顔を持つこの男は、イタリアの田舎ダ・ヴィンチ村で生まれ、フランスの田舎アンボワーズで67歳の生涯の幕を閉じました。

1つの分野を極めるだけでも大変なのに、なぜダ・ヴィンチはいろいろなことで才能が発揮できたのでしょうか?この単純な疑問を明らかにするために、私は研究を開始しました。

膨大なダ・ヴィンチが残した直筆ノートを考察し、初出版をした書籍『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』(飛鳥新社)の中では、7つの“ダ・ヴィンチ力”という形で万能の天才の秘密に迫りました。
この7つのダ・ヴィンチ力の根底をなす力の1つが自尊力です。

自尊力とは、自分の尊厳を高めていく力。この力は、受け身の「待ち」の姿勢ではなく、積極的にアクションを起こしていく中で身につくものです。ところが自分に対してネガティブなイメージを持っていると一歩を踏み出すことができなくなります。

「ときどき、私、自己肯定感が低いんです」という人に出会うことがあります。その方は、自分の存在価値がマイナスになっています。この場合、マイナスの自分をまずゼロに戻す作業が必要不可欠。そうしないと自尊力も発揮することができないからです。

自己肯定感が低い場合は、「私は私でいいんだ、ありのままの私でいいんだ」「自分らしく生きよう」という感覚を持つことが先決です。

自己肯定感の低い人は、「自分の存在意義が感じられない、どうせ私なんて」という自分に対してブレーキがかかった状態になっており、前に進むことができないのです。ブレーキを踏んでいる状態でアクセルを踏み込んでも、車は動かないのと同じように、まずブレーキを外す作業を先にする必要があります。これからその方法についてご紹介いたします。

真珠はどうしてできるのか?

以前、私は、「光り輝いている人は、なぜそんなに輝かしいんだろう?」という疑問を感じ、脚光を浴びて輝く人を5つの宝石にたとえてプレゼンをしたことがあります。
その最初の宝石は「真珠」です。

真珠というと、美しい丸い玉を頭に思い浮かべるでしょう。
ところで、なぜあんなにきれいな玉ができるのか、考えたことはありますか?

実は、真珠はもともと貝の中に入り込んだ、砂やゴミなどの異物が元になってできているそうです。海の中で砂は、「どこにでも無数にあるもの」ですし、ゴミは、どう見ても「魅力がないもの」です。
しかし、その貝の中に入り込んだ砂やゴミを、外套膜という膜が包みこみ、さらにその周りを真珠層という層が、何層にも折り重なって包み込み、やっと光輝く玉ができあがります。

つまり、砂やゴミがなければ真珠はできなかったわけです。
たとえ今自分が真珠のように輝いた理想の自分になれていなくても、まず自分自身を認める、肯定することが必要です。

ところが、ここで問題があります。たいしたことのないと思っている自分を急に認め、肯定することは難しいものです。

そこで私は、真珠のでき方にヒントを見出しました。砂やゴミを優しく包み込んでくれた外套膜のような存在を持てれば、真珠のように光り輝く存在へと成長していくことができます。概して自己肯定感の高い人は、恵まれた家庭環境に生まれ、往々にして両親から愛されて育ったという背景があリます。

周囲を大切にすることで自分自身も輝く存在に

レオナルド・ダ・ヴィンチはというと、母親は別の男性に嫁ぐことになり、父親は地位を求めて仕事に没頭していました。両親からの愛情は不十分な状態でしたが、その代わり、田舎で悠々自適な暮らしをしていた祖父と叔父に可愛がられてのびのびと育ちました

両親に愛されなかったがために、非行に走る若者もいます。非行までいかなくても、満たされない思いを抱え、存在価値が感じられず、ちっぽけな自分に対して悶々と悩む人もいると思います。

しかし、私たちを包んでくれる存在は両親だけではありません。
祖父母や親戚、友人や恋人、人によっては恩師といえる先生が真珠の膜の役割を果たしてくれることもあるでしょう。

人生を振り返ってみると、どれだけの人が今まで、そして今もあなた自身を支えているでしょうか? 人は何度も優しさに包まれることで存在意義を感じることができ、成長していくことができるのです。

たとえ今、砂(ありふれた存在)やゴミ(魅力がない存在)のように思えたとしても、真珠も初めから美しく輝く玉ではありませんでした。どこにでもある砂でありゴミだったわけです。
1人で頑張るのではなく、自分の良き理解者を見つけましょう。
もし自分に優しくしてくれる人が1人でもいるのであれば、その人との関係をとことん大切にするのです。

そうすれば自分の価値に気づき、自分らしく輝く生き方ができるようになるでしょう。

そして、いつかは自分も相手を包み込むことができるような人になれたら、光り輝く和が広がっていきます。

まずは自分自身を大切にしよう!

次回は、続きの「ダイヤ編」をお話したいと思います。

旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン    2021年 4月 公式掲載原稿 
現:挑戦者たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/) 

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