天才は皆、愛にたどり着く?
前回の記事で、ルネサンスの万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが考える「愛」とは何か? 「概念編」についてご紹介いたしました。
天才ダ・ヴィンチが熟考した「愛」の教え 概念編
今回は、愛を築く上で大切なことは何か、ダ・ヴィンチが書き残したノートから学びます。
2016年、大阪の梅田にあるグランフロント大阪で「ダ・ヴィンチ 天才の遺産 レオナルドと歩む未来展」が開催されました。広告を兼ねた顔出しのパネルがあり、そこにダ・ヴィンチの名言が貼ってあります。
いくつか用意された中から名言を選択し、パネルに貼って写真を撮れるようになっており、そのうちの1つが、「もし、愛が無ければ、他に何があるというのか」という言葉です。私も記念に写真を撮ってきました。
芸術家であり科学者、あらゆる学問分野を学び、この世の真理を探求した万能の天才が行き着いたこと、それが「愛」だったのです。
愛について語ったダ・ヴィンチの言葉 その1
さて、では早速、ダ・ヴィンチの言葉をご紹介いたします。
「知覚が知覚されるもののほうに動くように、愛するものは愛されるものの方へと動き、互いに結合して一心同体となる。・・・もし愛されるものが卑しいなら、愛するものも卑しくなる。合体するものが合体されるものとしっくりするとき、そこに楽しみと喜びと満足が生まれる。愛するものが、愛されるものにたどり着くと、そこで安らぐ」
出典:トリヴルツィオ手稿 レオナルド・ダ・ヴィンチ
「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、このダ・ヴィンチの言葉は、愛する人同士も引き寄せ合う引力があるということです。問題は、その愛する人にいかにして出逢うか。
一般にソウルメイトと言われることがありますが、私は最近スピリチュアル系の本を読んで、「ソウルバディ」という言葉を知りました。
ソウルバディは、「愛を与え合う存在」ではなく「一緒に愛を体現する存在」であり、必ずしも結婚しない場合もあります。
2人の経験を豊かにするために“正反対の部分”と“共通する部分”、両方をたくさん持っているそうです。共通する部分は、食の好みやユーモアのセンス、雰囲気や話し方、さらには、身体的な特徴が一緒だったりします。ソウルバディに会うと、なぜだかわからないけれど懐かしさを感じ、何も知らないのに信頼感がすでにある状態になっています。
ではどうすればそんな「ソウルバディ」と出逢えるのかというと、恋人を探し求めていない時に出逢うことが多く、本来行くべきではない場所であったり、何かの機会に代理で参加した時など、予期せぬシンクロニシティのタイミングであるといいます。
また、ソウルバディは魂の年齢が同じなため、肉体の年齢は問題ではなく、国籍も違うことがあるので、固定概念にとらわれない人づき合いをすることが大切です。
ただし、相手に自分の幸せを埋めてもらおうとするのではなく、自分で自分を満たすことができる状態になってはじめて、ソウルバディとの出会いに恵まれます。まずは自分自身を幸せにし、予期せぬ出会いも楽しむことが大切です。
愛について語ったダ・ヴィンチの言葉 その2
もう1つ、愛について語ったダ・ヴィンチの言葉を引用します。
「最高の愛は、愛する人への深い認識から生まれるものだ。もしあなたが相手を認識していないのなら、大方、いや、まったく愛することができないだろう。また、もしあなたが愛する理由が自分の欲望を満たすためで、美徳のためでないとすれば、あなたは犬と同じことをしている。犬は骨をくれるかもしれない人に向かって後ろ脚で立ち上がり、尻尾を振って歓迎するものだから。でも、もしその犬がその人の美徳を知ることができて、その美徳を好ましいと思ったとすれば、その犬だってはるかに強くその人を愛するだろう」
出典:ウルビーノ稿本 レオナルド・ダ・ヴィンチ
ここでダ・ヴィンチが言っていることは、欲望を満たすために人を愛するのか、あるいは、相手の美徳を愛するのか、この違いです。
前者の欲望で愛することは、自分のエゴが全面に出ているのに対し、後者は相手の存在を認め、尊重する利他の姿勢があります。
本当の愛を築くためには、まず相手がどんな人かを深く知る必要があります。表面的にかっこいい、かわいい、というような見た目が好きだったからという理由だけでは、きっと行き詰まりがくるでしょう。
夫婦のうち3分の1が離婚する時代と言われますが、結局は、価値観のズレ、方向性の違いが原因であることが多いです。ミスマッチを防ぐためには、価値観や方向性が合うかを確認することが大切です。
愛の心理学
ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のアーサー・アーロン博士は、自ら考案した「アーロン博士の36問」で、「愛の心理学」の第一人者となりました。
これらの質問を投げかけると相手の価値観が徐々に浮き彫りになると同時に、お互いの親密度が上がることが報告されています。
36個だと多く感じると思うので、私が厳選した7つの質問をご紹介します。
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1 人生でもっとも感謝していることは何? or 感謝している人は誰?
2 魔法の水晶玉があなた自身や人生、未来について真実を教えてくれるとしたら、あなたは何を知りたいですか?
3 自分の知っておいてほしい取り扱い説明書を作ります。どんなことを書きますか?
4 実在・架空・過去を問わず、誰でもディナーに誘えるとしたら、誰に声をかけますか?
5 長い間やってみたいと思っていながら、まだ実現していないことはありますか?
6 あなたの人生でもっとも大きな成果は何ですか?
7 友人関係でもっとも重要視していることは何ですか?
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一段踏み込んだ深い質問をすることで、相手の過去、現在、未来について知ることができます。ぜひ、良い関係を築いていきたいと思う人に、尋ねてみてください。
旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン 2022年 10月 公式掲載原稿
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/)