イタリアの万能の天才 レオナルド・ダ・ヴィンチ
彼が活躍したのは、日本でいうと室町時代。日本は応仁の乱など戦乱を経験しているが、イタリアもまた隣接する国同士で戦争が絶えなかった。
そんな時代に、煌びやかな文化が花開き、文芸復興を意味するルネサンスが始まった。
ダ・ヴィンチは、まさにこのルネサンス時代の中心的人物であり、実際にダ・ヴィンチの没後、ルネサンスは急速に終焉を迎える。
文芸復興とは古代ローマやギリシャ文化の良さを再発見し、キリスト教一辺倒の“神中心の時代”から“人間中心の時代”へとシフトしていこうという取り組みを指す。
ダ・ヴィンチは、このルネサンスを象徴する作品を創造し、その作品は500年経った今でも、脈々と語り継がれている。
『ウィトルウィウス的人体図』
最も有名な作品は、おそらく誰もが一度は目にしたことがあるだろう『ウィトルウィウス的人体図』
拙著『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』の表紙にも面白くゴロゴロと描かれている。この絵の意味についての解説を、コラムにまとめて紹介しているが、まさに“ダ・ヴィンチらしさ”が感じられる奥深い作品。
この『ウィトルウィウス的人体図』は、イタリアのヴェネツィアにあるアカデミア美術館に所蔵されているが、実は普段は公開されていない。
ダ・ヴィンチ没後500年の2019年、期間限定(7月に終了)でアカデミア美術館で公開されると知り、私はすぐさまイタリアに飛んだ。
アカデミア美術館内部には、ダ・ヴィンチメインのフロアがあって、
その中心に何やら行列ができていた。
他のフロアは写真OKなのに、この階だけ写真NG。
知らずに写真を撮っていると、黒人で長身の警備員が近づいてきて、
「ディリート、ディリート、ディリート!」
と画像削除のチェックが入った。
仕方なく削除すると、何事もなくその黒人の警備員は去っていったが、『モナ・リザ』さえ写真OKなのに、よほど特別視されていることが分かる。(ヨーロッパの美術館は、日本と違い、フラッシュなしなら大抵撮影OK)
中心にできていた行列の先には何やら黒いヴェールがかかった囲いがあり、そこに今回の目玉である『ウィトルウィウス的人体図』が展示されていた。
その黒い囲いは、等身大の1人の人がのぞけるスペースしかなく、また、左右からも見ることもできない。
そのため、絵を見るためには、どうしても長い列に並ぶ必要がある。ようやく自分の番がきても、背後にも長蛇の列が出来ているため、せいぜい1分間見るのが限度だ。
『最後の晩餐』ですら、15分間だけ見ることが許されているのに、『ウィトルウィウス的人体図』は、わずか1分。
そんな特別すぎる絵は世界探してみても、きっと他にはないだろう。
この絵は、「洗練の極み」であり、「ダ・ヴィンチのメッセージ」であり、「ルネサンスを象徴するシンボル」といえる。
大衆を惹きつけるものには、それ相応の原因があるもの。
ダ・ヴィンチの作品の意図をひもとけば、きっと私たちもそれをヒントにして、周囲を魅了することができるはず。
ぜひ、
『超訳 ダ・ヴィンチ・ノート』から、”地球史上最強の天才の思考と習慣”を学んで頂けたら幸いです。
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