ダ・ヴィンチに学ぶ「やりたいこと」が見つかる最も効果的な方法

ダ・ヴィンチ研究者の桜川Daヴィんちです。

これまでの投稿では、才能を開花させる方法についてご紹介してきました。自分を変えるには、まず成功者の考え方やうまくいくための手順を知ることが大切です。今回も自分の未来を変えていけるヒントを引き続きお伝えしていきます。

目次

レオナルド・ダ・ヴィンチの座右の銘、知ってますか?

私が開催しているダ・ヴィンチ勉強会で、こんな質問を頂きました。

「特にこれといってやりたいことがありません。どうしたらダ・ヴィンチのようにやりたいことに打ち込めますか?」

“万能の天才”というキャッチコピーを持つレオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画、彫刻、音楽、建築、舞台演出、デザイン、兵器や乗り物、日用品の発明、動植物の研究、天体の研究、数学や幾何学、遠近法の研究、人体解剖などなど、あらゆることに挑戦し打ち込んでいました。

彼が“歴史上、最も好奇心の強い人物”と言われるのも納得です。自分の一生をフルに全うしたのがダ・ヴィンチでした。

なぜこれほどまでに、やりたいことに溢れ、あらゆることに挑戦することができたのか? それは彼が座右の銘とする「経験の弟子 レオナルド・ダ・ヴィンチ」という言葉に凝縮されています。

ダ・ヴィンチが“経験の弟子になる”と自ら宣言したことには、理由があります。

14歳で芸術家工房に入って絵画や彫刻などの制作スキルを磨いていったダ・ヴィンチでしたが、十分な学校教育は受けていませんでした。そのため当時、知識人たちの教養書であるラテン語で書かれていた本を読むことができず、仲間外れにされてしまいます。

ダ・ヴィンチは、自分を「無学の人」と学問コンプレックスを感じてマイナスの定義をしていますが、それと反動するかのように自分をプラスに“再定義”したのが、「経験の弟子」という言葉でした。

ダ・ヴィンチは知識を身につけるよりも、経験を積んでそれを糧とすることを重視したのです。身近な自然を観察し、体験学習をメインにするという行動に出ました。

好奇心が恐怖心に打ち勝つための方法

例えば、ダ・ヴィンチはある日に森の中を歩いていると、目の前で洞窟を発見しました。真っ暗闇の洞窟の中には一体何があるのだろう? そう考えた時、ふと2つの感情が浮かんできました。

1つ目は得体の知れないものに対する恐怖心。2つ目はヴェールに包まれた「未知の先を知りたい」という好奇心。

恐怖心が好奇心を上回ってしまうと1歩が踏み出せません。ではダ・ヴィンチはどうしたか? 自分の経験を先生とすると心に決めていたので、恐怖心を乗り越えることができ、洞窟の中に入ることができました。

そしてその中で、思いがけず大きな魚の化石を発見したといいます。この新体験が、化石の研究につながっていきます。実際に、ダ・ヴィンチがノートに描いた化石のスケッチが残っています。

悠久の過去に生存していた未知の生物に思いを馳せたダ・ヴィンチ。このようなさまざまな体験の積み重ねが深い探求につながり、やがてダ・ヴィンチを万能の天才へと変貌させていったのです。

インフルエンサーの田村淳さんこそ、リアルの出会いを大事にしている

企業とテレビ東京が共同で開催した「Climbers(クライマーズ)2021」というイベントがあります。副題は「ブレイクスルーを実現した30人による人生の特別講義」で、幾多の壁を乗り越えた経営者の方はもちろん、アスリートや大臣など幅広いジャンルのスピーカーが話をされていました。

登壇者の1人であるタレントの田村淳さんは、お笑い芸人でありながら、会社経営、最近は慶應義塾大学大学院の修士課程を修了して、遺言動画サービスもされています。そんな田村さんがよく受ける相談というのが、
「やりたいことを見つけるにはどうすればいいか?」
という質問。田村さんは、次のようなことをコメントされていました。

「やっぱりアンテナを張るしかないと思います。それも、とにかく街を歩くとか、人としゃべるとか、交流の中でしか新しいものって生まれないんじゃないかと。ネットの中にも情報は確かにあるけど、自分の目や耳や肌で感じて、人の話を自分で直接聞いてとかの方が、衝動は起きやすいのではないかと思いますけどね」

5G時代になり、ますますインターネットが身近な社会で生活していますが、ネットの情報取得だけでは、どうしても受け身になりがちです。
やりたいことを見つけるためには田村さんが言うように、まず自分が動き出す能動的なアクションが効果的です。

キーワードは「異空間×異質」

ここで、先ほどのダ・ヴィンチの洞窟の話を思い出してみましょう。ダ・ヴィンチは、洞窟という非日常の異空間に飛び込み、そして、普段目にすることのない異質な化石に出会いました。

異空間で異質なモノやヒトに出会うと心が動きやすく、自分もやってみたいという気持ちが起きやすくなることが知られています。恋愛での“吊り橋効果”と似ているかもしれません。
危険なドキドキシチュエーションを体験する男女には、恋愛感情が起きやすくなるという心理効果のことなのですが。

私の例でいいますと、休暇中にパリにあるルーヴル美術館という非日常の異空間に行き、今まで見たことがない異質なレオナルド・ダ・ヴィンチの絵に出合ったことがきっかけで、ダ・ヴィンチ研究がライフワークとなりました。

この異質な絵というのは、『バッカス』というタイトルの人物画。ギリシャ神話のお酒の神様が描かれているのですが、眼光鋭く鑑賞者である私を直視し、そして両指を指すポーズをしている不思議な絵です。

一体この絵は、何を伝えようとしているのか? 疑問を深掘りしていくと、どんどん面白いことがわかってきて、その絵を描いたダ・ヴィンチの研究にのめりこんでいったのです。

何もやりたいことがない…。頭の中がその状態であれば、自分の今の考えの延長線上にやりたいことは出てこないでしょう。

やりたいことを見つけるためには、新しい刺激を与えて脳を開放させてあげることが必要なのです。
というわけで次回は、「ダ・ヴィンチ流脳をオープンにする思考法」についてお伝えしたいと思います。お楽しみに!

そうだ、異空間に行こう!

旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン    2021年 6月 公式掲載原稿 
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/) 

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