アートな島、直島

直島に行った後、私が特に印象に残ったことを1枚の絵にまとめてみました。タイトルは、「The Memory of NAOSHIMA」。
行ったことある方は、あれのことだな!と気づく人もいると思いますが、そうでない人にはよくわからない絵だと思います。
描いている全てが“直島の何か”を表しています。
解説がこちら↓

順に解説をしていきます。
家プロジェクト
直島にあるアートの魅力の1つが家プロジェクトです。本村地区に展開するアートプロジェクトで、読んで字のごとく、雰囲気のある家の中にアートが展示されています。
現在は、「角屋」、「南寺」、「きんざ」、「護王神社」、「石橋」、「碁会所」、「はいしゃ」の7つが公開中です。
このうち、「南寺」と「きんざ」は個別費用がかかり、また事前予約が必要ですが、その他の5つは共通チケットですべて回ることができます。
ちなみにオンラインで予約すると直接窓口で購入するよりも100円〜200円安くなるのでオンラインがおすすめです。
私は「きんざ」以外のすべてを鑑賞しましたが、「南寺」については内部で撮影することができません。さらにスマホはマナーモードはNGで電源を切る必要があります。そして光るものも身につけてはいけません。私は袖にしまっていた腕時計の文字盤がチラッと光ってしまい、すぐに見えないようにしたのですが、皆さんもお気をつけください。
上記の絵の中で、「???」と解説を書いているのですが、これは行ってからのお楽しみです。
体験を通して知るアート?なので、自分の目で見て、足で歩いて確かめてもらいたいと思います。
建物の設計は、直島の建築物を担当している安藤忠雄。
作品はロサンゼルス生まれのアーティスト、ジェームズ・タレルです。
南寺の近くには、かつて5つの社寺があったそうですが、こちらの建物は安藤忠雄が、ジェームズ・タレルの作品サイズに合わせて設計をしています。ジェームズ・タレルの作品は、地中美術館にもありますので、興味がある方はぜひ足をのばしてみてください。
はいしゃ
家プロジェクトの中で、個人的にもっとも楽しみにしたのが、はいしゃです。

名前のごとく、元々歯科医院兼住居がアートな建物に変貌しました。
空間デザインの作者は、大竹伸朗さんです。 直島にある名物銭湯「I❤︎湯」も手がけています。
このはいしゃには歯のイラストの絵が描かれてたりするのですが、もっとも目を引くのが、
自由の女神です。私の絵では頭部だけ描いています。1階から見上げるとこんな感じでなかなか巨大です。

2階では、吹き抜けの空間で対面することができます。

よく見ると、左下に自由の女神の写真がたくさん貼ってありました。

この自由の女神、作品名は『女神の自由』だそうです。
なんでも新潟のパチンコ店の広告塔として使用されていたものを再利用したもので、高さは6mもあります。
では、この巨大な像をどうやってすでにある建物の中に設置したのかというと、クレーンで屋根の上から入れたといいます。
他にも面白い作りになっていますので、ぜひ家プロジェクトを巡る際は立ち寄ってみてください。
碁会所
次に紹介するのは、碁会所。昔、碁を打つ人たちが集まっていた場所だそうです。
空間デザインは、須田悦弘さん。

2つの和室があるのですが、実はいろいろと仕掛けがあります。
左の和室には、本物そっくりに作られた五色椿の木彫りがあります。
こちらの椿がとても印象的でしたので、その内の1つを絵で描きました。

五色椿という名前のように、白い椿、赤い椿、ピンクの椿、色が混ざった椿といろいろな色の花びらが特徴的です。そして、庭には実際に本物の五色椿が植えられています。

本物と作り物との対比。その他にも言われないと気づかない仕掛けがあるのですが、ぜひ現地に行って確かめてみてください。
護王神社
護王神社の改築に合わせて、写真家の杉本博司さんが新しく石室と本殿をつなぐガラスの階段を設計しました。
杉本さんの作品は、ベネッセハウスの「時の回廊」でも見ることができるのですが、元々は写真の作品で有名です。この護王神社の作品を手がけたことによって、造形的なアート表現をする人という認知が広がったといいます。


そして、この石室から帰る際に見えてくるもの、それこそが杉本さんを虜にした光景です。
一体、それはどんな光景なのか? 実際に体感してみてはいかがでしょうか?
角屋
家プロジェクトの第一弾は、この角屋から始まりました。
宮島達男さんの手がけた作品「Sea of Time’98」が印象的です。直島町の人たちも作品制作に携わったといいます。

時間の海というタイトルの通り、赤や緑、黄色の数字が点々と浮かんでいます。
そして、この数字、よく見ると点滅するスピードがそれぞれ異なります。
猛スピードで変わる数字もあれば、ゆっくりなものもあります。
まるで、楽しいことは時間が早く過ぎ去り、退屈なことは時間がゆっくり感じられることを象徴しているかのようです。周囲には腰掛ける椅子もあり、ゆっくりと鑑賞することもできます。こちらも印象的でしたので、絵の中にこっそり取り入れてみました。
石橋
石橋家の家屋なので石橋と呼ばれていますが、実際に石の橋のモニュメントもあります。

こちらは、「空(くう)の庭」、「ザ・フォールズ」という千住博さんの作品が印象的でした。

庭に面した室内の風景は、千住さんが銀を使って描いたそうですが、時が経つにつれて黒ずんでいったそうです。それも計算に入れて描いているとかで、あと80年くらい経つと真っ黒になるとか。時の変化も楽しめる作品です。

千住博さんといえば滝の作品。漆黒の空間に光が差し込むよう設計されていて、温度もひんやり保存を意識した空間が練られています。神秘的な作品なので、ぜひ見に行くことをおすすめします。
さて、家プロジェクトの見どころについて紹介してきました。
次に、直島に来たらぜひ訪れてほしいフォトスポットを紹介します。
おすすめのフォトスポット 直島パヴィリオン、赤・黄色のかぼちゃ
私が直島に来て最初に撮影したスポット、それが直島パヴィリオンです。港から近くなので、ぜひ撮影してみましょう。

ちなみに、少ししゃがんで下から縦に切り取るとジャケット写真のようなアートな写真が撮れます。

そして、このパヴィリオンの近くにあるのが、草間彌生の「赤かぼちゃ」です。
赤かぼちゃは黄色の南瓜とちがって中に入ることができます。

中はこんな感じ。

そして、直島でもっとも有名なアート作品である同じく草間彌生の黄色の「南瓜」が、、、
なんと、、、
ありませんでした・・・。
強風の影響で展示されておらず、設置台だけの寂しい風景。

帰宅した2日後には展示再開されていたので残念でしたが、ある意味貴重なタイミングでした。いつでも見れるわけではないので、見れた方はラッキーですね。想い出作りに、パヴィリオンとかぼちゃの作品は要チェックです。
他に、I❤︎湯や地中美術館など写真を撮りたくなるスポットがありますが、こちらは撮影NGとなっております。地中美術館は、安藤忠雄建築で、ジェームズ・タレル、印象派のモネ、ウォルター・デ・マリアの3人のアーティストの作品を展示するために建てられた贅沢な美術館です。
ウォルター・デ・マリアの作品は、海辺のシーサイド・ギャラリーに「見えて/見えず 知って/知れず」もあり、そちらの作品は撮影ができます。

私が手にしている茶色の物体は海岸を散歩中に拾ったものです。
一体何だろうと上を見てみるとヤシの木があり、皮が剥がれて落下したものだということがわかりました。
私は現代アート的な華道をしていることもあり、このヤシの皮は作品に使ったら面白そうだと感じ、持ち帰れないかベネッセハウスのスタッフに聞いてみることにしました。
すると、
「もちろんです!! 袋お持ちしましょうか?」
と即座にOKを頂き、ちょうど入るサイズの袋もご用意頂きました。

少し形が違う2枚をお土産に持ち帰りました。

何やらどこかの民族の方がお面に使ってそうな形状をしています。
私はこのスタッフの方のホスピタリティに感動し、絵の中央にヤシの皮と紙袋を描いています。
私のように問い合わせする人がいるか聞いたところ、植物の型を取りに直島にやってくる人もいたとのことです。
ベネッセハウスに宿泊すると、送迎バスをや車を利用することができ、至れり尽くせりの待遇でアートを鑑賞することができますよ。
ヴァレーギャラリー ナルシスの庭
草間彌生の名を広く知らしめることになった作品に、「ナルシスの庭」があります。
シルバーのボールが敷き詰められた空間で、独特な空間が形成されています。


草間彌生と聞くと水玉模様を思い浮かべますが、やはり丸という形に彼女の特別な想いを感じますね。
こちらも面白いので合わせて鑑賞しに行きましょう。
ベネッセハウスミュージアム
ベネッセハウスに宿泊した人限定で、夜の時間帯にベネッセハウスミュージアムで鑑賞できるという特典があります。
安藤忠雄建築は、自然光を計算して設計されており、人工的なライトがない空間が広がっています。
そのため、夜になると作品の表情も変わるのです。
特にブルース・ナウマン作の「100生きて死ね」という現代アートは、夜の暗がりでみる方が印象に残りました。こちらは自然光が差し込んでいる場合。

そしてこちらは夜の写真です。

笑って生きろ 愛して死ね など、たくさんのメッセージがカラフルに点灯します。
作品を見ながら人生を振り返る機会にしてみてはいかがでしょうか。
ベネッセハウスの広場
ベネッセハウスの広場では、ニキ・ド・サンファールのカラフルで愛らしい野外展示の作品を鑑賞することができます。



ぜひ、のんびりとアートに触れながら散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。私はこの象の鼻を絵の作品に取り入れてみました。
ベネッセハウスの食事
最後に、ベネッセハウスの食事についてご紹介したいと思います。
私が食べたのは、夕食に「シエル」というフランス料理のコースです。
味はかなりの絶品でおすすめです。


料理も最高でしたが、オリジナル・ノンアルコール・カクテルの「クレイユ」がオシャレで美味しかったです。
黄色と底の青を混ぜると緑色に変化します。

まさに“飲めるアート”。窓からは立派な松と水平線に広がる海が見え、優雅な時間を過ごすことができます。
朝はバイキングでしたがいろいろなメニューがあり、ついつい食べ過ぎてしまいました。
朝食後は散歩に出かけたり、ショップでお土産を見るなど、時間を有効活用しましょう。
さてここまで読んで頂いた方に、もう一度私が描いた直島の思い出の絵を載せておきます。

ここに登場するモチーフの意味が何だったのか、見えてきたかと思います。
ちなみに左上の象の鼻は、I❤︎湯にいる象に由来しています。歩き回ったらアートな銭湯にも入ることをおすすめします!
以上、桜川Daヴィんちが体験した直島体験記でした。
直島についてのおすすめの本はこちら!