ローラは『モナ・リザ』から何を感じた?
アメリカのロサンゼルスで活動するタレントでファッションモデルのローラさん。Instagramのフォロワーは900万人を超え、多くの人に影響を与え続けています。そんなローラさんが、ルーヴル美術館に行ってレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』を見た内容をInstagramに投稿し、話題となりました。
このようなコメントを残しています。
「世界でもっとも価値があると言われている『モナ・リザ』♡ たくさんのミステリーが残っていてまだ謎に包まれている存在だけれど、、、レオナルド・ダ・ヴィンチさんが自分が亡くなる最後までずっとモナリザさんの絵を描き続けたと言うことは、、もしかしたらレオナルドダヴィンチさんにとって、モナリザさんは、人生で心の支えになるような大切な存在だったのかな♡ もし、そうだったらとってもロマンチックで素敵♪」
引用:2022年11月28日のインスタグラムの投稿より
ルネサンス時代の画家たちは、基本的に教会やパトロン、権力者などの地位のある人からの依頼で絵を描くことが主でした。『モナ・リザ』も依頼を受けて描いていたはずですが、結局依頼主の手元には渡っていません。一体なぜダ・ヴィンチは『モナ・リザ』を生涯手元に置き続けたのか?不敵な微笑み同様、モナ・リザ・ミステリーの1つですが、ローラさんが言うように、その絵を心の支えにしていたのかもしれませんね。
勇気を与えるダ・ヴィンチの言葉
ローラさんは、またこのように続きを書き残していました。
「レオナルドダヴィンチさんはどんな人なんだろう?と思ってパリのルーヴル美術館に行く前に本を読んでいたんだけどね、そのなかでダヴィンチさんが人生のノートに書き残したメッセージをわかりやすくまとめた本を見つけたから幾つか書き残すね」
そう言って紹介した本が、桜川Daヴィんち著『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』に基づく言葉でした。
ローラさんが本から引用した言葉、
「チャンスがあったらとにかくやってみる! やらずに後悔するよりも、なんでもやって後悔する事が大切」
は、特にフォロワーの心に響き、勇気が出た!というコメントがついて、色々なニュースサイトでも紹介されました。
元々のダ・ヴィンチの言葉は、
「幸運にめぐり合ったら、ためらわずに前髪をつかめ、後ろは禿げているからね」
なのですが、
「幸運の女神には前髪しかない」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
この言葉は、古代ギリシャの詩人、ポセイディッポスの詩に由来しているといいます。
「時の神カイロスは、出会った人がつかみやすいように髪を顔の前に垂らしているが、追いかけてつかむことができないよう、後頭部には髪がない」
カイロスは男性神ですが、のちに女神についての話として変化していったといいます。(出典:コトバンク)
ダ・ヴィンチもきっと何かの本を読んで気になり、思わずノートに書き留めたのでしょう。
人類が、何百年、何千年前から変わらずに伝え続けられている大切なこと、それが“チャンスを逃すな”ということなのです。
今日でも、アメリカを拠点に活動するローラさんが引用しているので、実に説得力ある言葉としてフォロワーに届いたのではないでしょうか。
挑戦するために必要なこと
今から500年前、イタリアのルネサンス時代に活躍した巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチ。幸運をつかむために必要なチャンスを、彼はどのようにつかんでいったのでしょうか。
実は面白いことに、ローラさんとダ・ヴィンチには共通点があります。
それは新たな幸運をつかむために、環境をガラリと変えていることです。
アメリカのロサンゼルスに渡ったローラさんと同じように、ダ・ヴィンチも住み慣れたフィレンツェからミラノに移り住み、晩年はパトロンであるフランス王の呼びかけに応じ、イタリアからフランスのアンボワーズに渡っています。
自分の関心の赴くままに物事を追求し、自分を固定的な枠にはめ込まない姿勢も、2人の共通点です。ローラさんは、モデル活動と並行して、環境に配慮した洋服開発の事業もされています。
『日曜日の初耳学』という番組で、ローラさんはこのように言っていました。
「人生一度きりだから、英語もしゃべれないけどいろんな人と会いたいし、いろんな人と話したいし、経験をしたいっていう気持ちがずっと心にあって。ロスに行ったら仕事も減るし、みんなに忘れられると思ったけど、それでもいいやと思ったの」
出典:ザテレビジョン
チャンスをつかむためには、これまで築き上げたことがなくなっても構わない、という前に進む勇気が必要です。
ダ・ヴィンチがした知られざる挑戦
さて、ダ・ヴィンチというと、『モナ・リザ』を描いた画家として有名で、芸術家になるために、下積みの苦労やライバルたちとの競争に打ち勝つことなど、アート分野に関する挑戦を想像する方が多いかもしれません。
それも事実ではありますが、ライト兄弟の400年前に飛行機を飛ばす挑戦をしたり、人体解剖を30体以上行って卓越した描写力で正確な人体図を描いたり、ペスト禍を避けるための衛生都市の構想をしたりと、先駆的な挑戦に邁進していました。他にも、音楽家として、軍事技師として、舞台演出家として、怪人二十面相のごとく八面六臂の活躍をしていました。
なぜ、彼はそれほどまでにいろいろな挑戦ができたのだろうか。
私はダ・ヴィンチの原動力を7つのダ・ヴィンチ力として体系化し出版をしました。
ローラさんがInstagramでとりあげてくれた『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』は、人生を勇気づける言葉と共に、ダ・ヴィンチの行動習慣をわかりやすく学ぶことができますので、まだお読みでない方はぜひ手にとってみてください。
旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン 2023年 1月 公式掲載原稿
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/)