桜川 Daヴィんち その奇天烈な名前の由来とは?②
もし自分に本名以外に名前をつけるならどんな名前にするか、考えたことありますか?
作家を意識しなければ、なかなかないかもしれませんね。
でも、もし新しい名前をつけて、”自分が生まれ変わる”としたら、どんな名前にしますか?
たとえば、元プロ野球選手のイチローが、「鈴木一郎」とカタカナの「イチロー」を、別人のように使い分けていたように、名前がその人に与える影響は計り知れません。
40年後に、南極大陸に上陸した日本人
少年時代に北極探検を夢見た人に「白瀬知教」という人がいました。
白瀬少年は、コロンブスやマゼランの冒険談に魅了され、「俺は将来、北極探検をやる!」
と12歳の時に決意をしたそうです。
それを聞いた先生は、
「極寒の地で生きるためには、体を鍛えなければならない、酒タバコは禁止で、寒くても火に近づいてはいけない、お茶も飲むな」
と欲に逆らうようにアドバイスをしました。
白瀬少年は、「初心を貫くには普通の人の2倍、3倍も努力しなければならない」と
本名の「知教」を捨て、直の字を3つ重ねて、「白瀬 矗(ノブ)」という名に改名しました。
直を3つ重ねるとすごい字になりますが、
自分で名前を書いたり、誰かに呼ばれたりするたびに原点を確認できる、
そういう初心を思い出させる工夫があったのです。
白瀬矗は、40年の歳月と度重なる困難を経て、当初の北極探検は先を越され断念したものの、
ついに南極大陸に上陸、初志貫徹したといいます。
40年間という人生の大半、目標を見失わないでいれるって、本当にすごいですよね。
このストーリーを知って、もし自分も名前を自由につけることができるのなら、、、
自分の使命感を反映させた名前にしよう、
そう決意しました。
ヴィンチ村のレオナルド
レオナルド・ダ・ヴィンチ とは、
ヴィンチ村のレオナルド、という意味です。
ヴィンチ村は、今もあって、ダ・ヴィンチ博物館やダ・ヴィンチの生家があります。
そのため、ダ・ヴィンチ学者が書いた本を読むと、
たいてい、「ダ・ヴィンチは、」ではなく、「レオナルドは、」と書いてあります。
ですが、拙著『超訳 ダ・ヴィンチ・ノート』では、「ダ・ヴィンチは、」と馴染みのある方を採用しています。
その方が読者にとって違和感がないためです。
感動をネーミング
さて、私のネーミングの話に戻ります。
どうせネーミングするなら、自分もダ・ヴィンチを名乗ってみよう。
ダ・ヴィンチを下の名前にして、苗字はダ・ヴィンチ村が地名を表したように、
日本を感じさせる名前にしよう。
日本と言えば、「桜」。
レオナルドは5文字なので、桜にあと2文字を足した苗字、
かつ、濁点が一文字入っている苗字、、、
考えた末、「桜川」に決定しました。
話は変わりますが、
私は北海道出身です。北海道は桜の開花が遅く、見頃は5月に入ってからですし、
私の住んでいたところは、これといって桜の名所がありませんでした。
そんな私が京都にやってきて、一番驚いたのは、ソメイヨシノの美しさです。
北海道では、山桜しか見たことがなく、こんな美しい桜があることすら知らなかったのです。
品種も、しだれ桜や八重桜、それぞれの美しさがあり、何度見てもいいなと感じます。
さらに、感動したのは桜並木が両サイドに立ち並ぶ賀茂川。
桜の花びらが散って、川に流れる様子も風流で、
そんな桜の光景を一目見ようと、老若男女が時を忘れて足を止める。
そうだ、自分もこんな素敵な光景を心の中に見せれる人になろう、
そんな意味も込めて、もう苗字は桜川しかない!と決定することができました。
もし、あなたが、何かの機会に自分で名前を決めることができるのなら、、、
誇りが持て、名前を見るだけでやる気が出るような名前を考えてみるといいかもしれません。