タンザナイトの特徴に学ぶオンリーワンの存在感【宝石編⑤】

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常に必要とされる人になる方法、教えます。

5回シリーズでお届けしてきた「5つの宝石が教えるあなたがさらに輝く方法」も、ついに最終回。ラストを飾るのは「タンザナイト」です。

青紫に光る美しい宝石・タンザナイトは、名前から連想されるように、アフリカのタンザニアという国名に由来しています。タンザナイトは世界広しといえども、タンザニアでしか採れないとても貴重な宝石なのです。

まさにオンリーワン。今回のテーマは、常に必要とされるひっぱりだこになる方法ですが、その答えは一言で言うと、オンリーワンな存在になることです。

オンリーワンな存在とは、言葉を変えると「代わりがきかない存在」ということ。代わりがいないからその人が選ばれるのであって、誰でもいいなら、その人ではなくてもいいはずです。

そのため、他の人には持ち合わせない魅力をいかに持ち合わせるか、これがカギとなります。人との競争もありますが、これからの時代は、AIとの戦いも視野にいれなければなりません。例えば、今まで人間が担当してきた受付や窓口の仕事、乗り物の運転など、多くの仕事がAIに代替されると言われています。

多彩になれば、オンリーワンになれ、結果として重宝される

これから生き残っていくためのヒント、それをタンザナイトの特徴から学びましょう。

タンザナイトは、見る角度によって結晶の色が青だったり紫だったり、透明に見えたりします。これはタンザナイトの「多色性」という特徴からきています。

人間に置き換えると、多色性とは「多彩な才能」にあたります。マルチな才能を発揮する人は、特に注目を集めます。でも、自分にそんな才能なんてないし…、と思う方もいるかもしれません。

たとえば、新垣結衣さんとの婚約発表でまさに話題沸騰の星野源さんは、多色性を発揮する、まさにタンザナイト的な人物です。ミュージシャンであり俳優であり文筆家という、3つの分野の顔を持っています。

1人3役をこなす、すごい才能の持ち主と思いますが、まだメジャーデビューしていないときに、他人からこう言われていたと自身の本に書いています。

「どっちかに絞った方がいいよ。こういう世界で二足のわらじを履いちゃダメ」
「源ちゃんは役者より音楽の才能あるから、役者やめて音楽に専念した方がいい」
「文章の才能もあんまりないんだから、もうやめなよ」

普通は、こう周囲から言われると、「やっぱりそうか。みんなの言う通りかもしれないな…」と思って、1つに絞ってしまうと思います。

しかし、星野源さんは違いました。「絶対無理ってみんなが言うようなことを、なんとか努力してやろうとして、もしできたりしたら、そっちのほうが面白くない?」。
※出典『そして生活はつづく』(星野源/青春出版)

「できるか、できないか」ではなく、「面白いか、面白くないか」を判断基準にしたのです。

文筆家を目指す経緯も実に意外なものです。

「メールを書くのがものすごく下手だった。壊滅的だった。センスのかけらもない…。いくら丁寧に文章を書きたいと思っても、結果はいつも、相手に伝えたことが絶対に伝わらない言語能力のなさが圧倒的に勝った。時が経つにつれ、様々な仕事が増え、メールの必要性はどんどん増していった。でも、どれだけメールを送っても、考えても、書き直しても、文章は一向にうまくならなかった。だったら仕事にしてみよう

出典『いのちの車窓から』(星野源/KADOKAWA)

できないからこそ、仕事という強制力のあるもので自分を追い込み、プロとして恥ずかしくない自分を目指す。星野源さんがマルチに活躍する存在になれたのは、自分の可能性を信じて追求し続けたからに他なりません。

マルチな人間、実は誰でもなれる。ある考えを持ち続ければ…

話を元に戻しますが、歴史上最も多彩といえる人物は、万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチということに異論はないでしょう。

ダ・ヴィンチは、世界一有名な絵画『モナ・リザ』を描き、音楽、彫刻、建築、舞台美術・衣装デザインとマルチアーティストとして活躍すると同時に、軍事兵器や日用品、飛行機などの乗り物の発明に情熱を燃やしたエンジニアでもありました。さらには、地質学、流体力学、植物学、天文学、幾何学、解剖学、哲学とあらゆる学問に精通していた学者でもあったのです。

芸術家、エンジニア、学者の3方面にわたって、縦横無尽の活躍をする。これはさすがに、とんでもない才能があったからだと思います。

でも実は意外に知られていないのですが、ダ・ヴィンチだけでなくルネサンスに活躍した人たちは、複数の分野をこなすことが当たり前だったのです。ダ・ヴィンチが働いていた工房は、絵画や彫刻制作の他、楽器や武器、家具の修理なども請け負う、いわゆる「なんでも屋さん」。

とはいえ、ダ・ヴィンチはただ周りと同じようにいろんなことを何も考えずにこなしていたわけではありません。

それを裏付けるのが、ダ・ヴィンチが尊敬していた元祖万能の天才レオン・バッティスタ・アルベルティという人物。アルベルティは、『絵画論』という画家の手本になる手引書を出版しています。

『絵画論』はダ・ヴィンチも所持して大きな影響を受けているのですが、その中に次のような一文があります。「画家はできるだけ多くの学芸に通じているのが好ましい」。ダ・ヴィンチは、実際にアルベルティが言うことを実践し、立派な画家になろうと努力をして万能の天才になったのです。

このことは、星野源さんが苦手なことでも仕事として自らに課し、できるようになったプロセスと似ているかもしれません。

つまりマルチな人間には、なろうと思えばなることができるのです。最初からムリと決めつけては、そこで止まってしまいます。やらざるを得ない状況に追い込めば、意外にできてしまう。それほど本当は誰しも変われる可能性を持っているということです。

そうなるためには、前回の「トルコ石編」で書いたように、自分に費やすための「孤独な時間」も必要です。また、才能を発揮するには、「ダイヤ編」でお伝えした「良き師」のように自分を導く人、さらには「オパール編」でお伝えした、過去に培った「自分の活用」も必要です。

そして、最初の「真珠編」でお伝えした、才能を120%発揮するためのたった1つの根っこである「自分を受け入れ応援してくれる人」の存在も不可欠です。

何か壁にぶつかったときは、ぜひ「5つの宝石が教えるあなたがさらに輝く方法」を読み返して、光輝く存在になって頂ければと思います。

自分に制限をかけずに、やりたいことを追求しよう!

旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン    2021年 5月 公式掲載原稿 
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/) 

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