ブランディングとカラーの効果【絶大なパワーを持つ色の攻略】

目次

セルフブランディングでは「パッケージ」は「服装」となる

セルフブランディングの方法について、前回の記事では、ブランドを表す要素として次の9つを紹介しました。

  • ロゴマーク
  • ネーミング
  • キャッチコピー
  • パッケージ
  • 音/音楽
  • ドメイン
  • におい
  • キャラクター

上記は、自分ではない商品やサービスの場合ですが、こちらを自分自身のセルフブランディングに置き換えると、少し変化します。
【1】ロゴマーク
【2】名前(本名or芸名)
【3】肩書き
【4】服装
【5】色
【6】音/音楽
【7】住んでいるエリア
【8】におい(香水の有無など)
【9】キャラクター(or自分をキャラクター化)

今回は、世界一の画家と名高いダ・ヴィンチが、「【4】服装」と「【5】色」についてどう捉えていたのか、ブランディング視点でご紹介をしていきます。

色には、他者と差別化する強いパワーがある!

まず一般的なブランドカラーについて説明いたします。企業で働く会社員は、会社からユニフォームを支給され、着用を義務づけられている場合があります。わかりやすい例でいうと、航空会社のANAは青、JALは赤でロゴとユニフォームも統一されています。もし仮に、突然ANAのブランドカラーが赤になってしまったのならば、競合先のJALと見分けがつきにくくなってしまい、混乱してしまいますよね。色にはそれだけ他と差別化できるパワーがあるということです。この色の力を自分自身のブランディングにも応用していきます。

ここで問題となるのは、いったいどんな色を自分に用いればいいのかということです。ブランディング視点がなければ、いつも着ているいつもの色を選んでしまいがちです。その色は、自分や周囲にとって違和感のない色だったり、自分が好きな色です。

ただしブランディングとはそもそも、他と違うものであることを相手に認識させ、区別させるために生まれてきた概念です。もし、他人の目線を気にして違和感のない色を選んでいるのであれば、それはブランディング的な色の選び方としては正解ではありません。

自分が好きな色を選べばいいのでは? そう思う方もいるかもしれません。しかし、好きな色が必ずしも、自分にマッチする色なのかというと一致していない場合があります。

私はパーソナルカラー検定1級を持っているのですが、自分に合う色とは、自分の色素に合う色であることを学びました。自分の色素とは何かというと、持って生まれた肌の色、髪の色、目の色です。

人間は1人ひとり、肌・髪・目の色が違います。日本人はみんな同じような黒髪なのかというと微妙に個人差があり、茶色寄りの黒髪の人もいれば、黒目ではなくグレーの瞳をしている人もいます。

そのため自分の色素に合う色を選ぶことで、より自分の魅力を伝えることができます。反対に自分の色素に合わない色を選んでしまうと、疲れた印象だったり、暗いイメージを与えることにもなりかねません。

パーソナルカラーについての本はたくさん出版されていますので、関心のある方は一度読まれてみるといいでしょう。パーソナルカラーを扱う組織によって違いはありますが、一般的には4つの季節(スプリング・サマー・オータム・ウィンター)に分けられています。この4つの季節は、色相のイエローベースかブルーベース、さらに、明度と彩度の違いによって分類されています。

こちらの分類を見て分かるように、同じ赤でも、オータムの赤とウィンターの赤では違いがあります。ということは、赤が似合うと思っていたとしても、似合う赤もあれば、似合わない赤もあるということです。また、白や黒なら誰でも似合う、と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。真っ白と真っ黒が似合う人はウィンターの人で、イエローベースのスプリングの人には不向きの色となります。

厳密にこの4つのカテゴリーに当てはまらない場合もあるのですが、一度パーソナルカラー診断をしておくと、色選びに困らなくなるので重宝します。

ここからはいよいよ、レオナルド・ダ・ヴィンチの場合を見ていきます。

ダ・ヴィンチは自分に似合う色を知っていた

ダ・ヴィンチの場合といっても、今から500年前の人の服装が分かるのか?と思う方もいるでしょう。ところが、ダ・ヴィンチが書き残しているノートの中に、服装について記載している文章があったのです。こちらがその記述です。

あせたローズ色のコート1着
ローズ色をしたカタロニア風の室内着1着
フランス風の深紅色の上着1着
あせたローズ色の靴下1足
ローズ色をしたベレー帽2着
えんじ色の帽子1着

紫色のケープ1着
紫色の毛織りの上着1着
ローズ色がかった紫色の上着1着
濃い紫色の靴下1着

灰色のフランドル製のコート1着
黒のヴィロードの袖付きの上着1着
黒の靴下1足
(出典:マドリッド手稿Ⅱ)

色をまとめると、赤系7・紫系4・黒系3となります。特にローズ色の赤が好みだったことがわかります。ローズ色の赤、紫、黒に共通するのは、いずれもウィンターに分類される色だということです。

自分に似合う色を知って効果的に用いることで、魅力的なセルフブランディングの構築につながります。

以前、私があるセミナーに参加した際、その講師の方のジャケットの色はオレンジでした。別の方の講師は水色のジャケットだったり、スカーフを巻いていたり、他の大勢に埋没しない演出を心がけられていました。

特別感のある色を身につけると、参加者にこの人は他と違うのではないかと、期待を抱かせることにつながります。ぜひ自分に合う色を見つけて、ブランドカラーをうまく演出していきましょう。

似合う色を知って、意図的に活用しよう!

旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン    2021年 9月 公式掲載原稿 
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/) 

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