日本で世界の名画を鑑賞する方法2選!大塚国際美術館の見所とヴァーチャル美術館

長期化するコロナ禍の現代。旅行好きの方なら「連休になったら海外旅行!」という気晴らしが以前のようにはできず、フラストレーションを抱えていることも多いと思います。

「休日は、密を避けながら遠出の楽しみを味わいたい!」ということで、今ですと地方の自然のある場所に出かけるキャンプやグランピングが流行っています。私もつい先日、人生初のキャンピングカーに乗って、四国旅行をしてきました。

その土地の人に触れ合い、名産である食べ物を味わう。そして、観光名所を訪れて文化を吸収する。それは格別な体験であり、私たちの人生を豊かにしてくれます。コロナ禍の早い終息を願うばかりです。

さて、本題の日本にいながら世界の名画を堪能する2つの方法についてご紹介したいと思います。1つはリアルで世界の名画を一挙に堪能する方法、もう1つはヴァーチャル空間上で名画を堪能する方法となります。

目次

リアルで世界の名画を一挙に堪能する方法

先ほど、四国をキャンピングカーで巡ったという話をしましたが、実は、四国の中で私が最も行きたかったところが、徳島にある大塚国際美術館です。徳島というと鳴門の渦潮が有名ですが、その近くに位置しています。

この美術館にある作品は、すべて陶板という陶器の板に原画を転写し、焼きつけて製作した実物大の複製画です。複製画とはいえ、本物に近い形で再現されており、しかも2000年以上も劣化せず保存できるといいます。世界26ヶ国190余りの美術館から1000枚を超える有名作品が、この大塚国際美術館に集結しており、一挙に堪能することができるのです。

地下3階(地下1階までは山の中にある)からスタートし、地上の2階まであるため、じっくり見ようとすると1日あっても見切れないくらいの作品があります。有名なムンクの『叫び』や、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』もありますが、1番人気はゴッホの『7つのヒマワリ』です。世界各地にある『ヒマワリ』が一挙に観られるという贅沢空間になっています。

1番人気になっているのは、他にも理由があります。実はこちらの青背景の『ヒマワリ』は、兵庫県の芦屋で焼失した幻の『ヒマワリ』を復元したもので、他の美術館には飾られていない作品です。こんな『ヒマワリ』があったんだと、新鮮な感動があります。

もっとも驚くことは、『ヒマワリ』など平面の作品だけではなく、建物の空間まるごと再現されている作品があることです。最も巨大で印象的な空間は、美術館入ってすぐ正面にあるミケランジェロの大作『最後の審判』があるシスティーナ・ホールです。その迫力を伝えようと思い、動画を撮ってきましたので、よろしければご覧ください。

私はヴァチカンにあるシスティーナ礼拝堂内部にある本物も観たことがあるのですが、大塚国際美術館のシスティーナ・ホールにあるこの『最後の審判』のほうが感動しました。なぜかというと、動画を観て頂くとわかるように、ヴァチカンに比べて鑑賞者が圧倒的に少なく、落ち着いて観ることができたからです。

ヴァチカンの本物のほうは、人がごったがえして落ち着かず、写真撮影も禁じられています。大塚国際美術館は、平日ですとコロナ禍ということもありますが、まるで貸切のごとく、自分1人でその空間を占有できたりします。撮影はもちろん、陶板なので絵に触れることもできます。(コロナ禍になった現在は、控えるようにと放送が流れていますが)。本場ですと、群衆の中で遠目から名画を観なければいけないですが、ここでは世界の名画をゆっくりと堪能できるのです。

とはいえ、デメリットがないかというと、やはりデメリットもあります。それは本物ではないがゆえに、本来の重厚感というか重みが失われている場合があります。とりわけ私がそう感じたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』を観たときでした。

パリのルーヴル美術館にある『モナ・リザ』と比べると、全体的に明るく、軽く見えてしまいます。額縁もルーヴルにあるような重厚で高級な金の額縁ではないため、よりレプリカ感が出てしまい、作品に入り込むことができませんでした。それは私がダ・ヴィンチ研究者であるからということもありますが、やはり本物の持つ絵のパワー、というものには決して敵いません。

ヴァーチャルで世界の名画を堪能する方法

2つ目の「ヴァーチャルで世界の名画を堪能する方法」をご紹介いたします。

たとえばフランスのパリにあるルーヴル美術館のサイトLouvre VIRTUAL TOURSでは、オンライン上で所蔵作品を公開しています。

まだルーブル美術館に行ったことがある人も、そうでない人も、家にいながら気軽にアートを鑑賞できます。

VRが今後徐々に導入されるにつれて、どんどんオンラインで観られるヴァーチャル美術館も増えてくるでしょう。

現状、私が使ってみたところのヴァーチャル美術館の欠点は、自由に歩いて回れるリアル美術館に比べて、画面上でいちいち操作をする必要があるので、慣れが必要なところです。

リアルの美術館は、本物ならではの感動があり、
大塚国際美術館は、一挙に世界の名画に浸れる贅沢さがあり、
ヴァーチャル美術館は、どこにいても気軽に鑑賞できる。


このように、各々で独自の利点があります。

それぞれの良さを理解して、美的感性を養っていきましょう。大塚国際美術館まだの方はぜひおすすめですよ〜。それではまた!

一流の感性に触れてみよう!

旧:WEBマガジン・作家たちの電脳書斎 デジタルデン    2021年 7月 公式掲載原稿 
現:作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部 (https://digi-den.net/) 

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