レオナルドダヴィンチが創作し、今実現している「発明」ベスト3
TOKYO FM「ONE MORNING」
12/17(火)の7時20分~7時27分「ベスト3総研」というコーナーで
レオナルド・ダ・ヴィンチ特集をして頂いた際に、
ベスト3を選んでコメントさせて頂きました!
●レオナルドダヴィンチが創作し、今実現している「発明」ベスト3
① ロボット
レオナルド3ミュージアム
500年前にダ・ヴィンチがロボットを発明していたと言うと、あなたは信じるでしょうか?
実際に「アトランティコ手稿」と呼ばれるダ・ヴィンチ・ノートにロボットの構想が書き残されており、NASAの専門家が現代に再現しています。
なぜ、ダ・ヴィンチは、ロボットを発明したのか?考えられる理由は2つです。
1つは「人をもてなすため」。ダ・ヴィンチは、宮廷のエンターテイナーとしても活躍し、舞台演出を手掛けています。新しいフランス王を祝う際に企画したのが、機械仕掛けのライオンロボットでした。ライオンロボは王の前まで歩いていき、立ち止まったかと思うと、胸の部分が開いてたくさんの百合の花が届けられたといいます。実はライオンは、フィレンツェの象徴であり、百合はフランス王家の紋章を飾る花。両国の友好を表すおもてなしを受けたフランス王は大いに喜ばれました。
2つ目の理由は「国を守るため」。ダ・ヴィンチは、戦乱の世を生きながら、軍事コンサルタントとしても活躍。「ロボット兵士」のスケッチがありますが、塔の上に配備し、夜中の見張りにも活用しようとしたのかもしれません。AI時代を先読みしていたダ・ヴィンチには本当に驚かされます。
② ヘリコプター
レオナルド・ダ・ヴィンチ科学博物館 空気スクリュー
「空を飛びたい」、その一心で飛行研究に没頭したダ・ヴィンチ。
その取り組みは、ライト兄弟よりも400年早い挑戦でした。鳥の飛翔を考察したダ・ヴィンチ ・ノートが残っており、人間も鳥のように空を飛べたらどんなに楽しいかと夢想していました。
鳥以外にも、昆虫のトンボやチョウチョ、空飛ぶ魚のトビウオまで研究し、あらゆる飛ぶ原理をひたすら追求。
ハングライダーやパラシュート、人力で飛ぼうとする直立羽ばたき飛行機、
そして、近代のヘリコプターを予測した「空気スクリュー」を発明しています。着想は良かったものの、構造に難があり、高さも重さも度を越したため、残念ながら実現には至りませんでした。
このヘリコプターのスケッチは、かつての全日空のロゴに採用されています。
全日空の前身は、日本ヘリコプター輸送会社でしたので、ダ・ヴィンチのスケッチを採用したのでしょう。ダ・ヴィンチの熱い情熱は数百年の時と国境を超え、日本人の心にも届いているのです。
③ 自動回転肉焼き機
自動回転肉焼き機 の模型(桜川コレクション)
ベジタリアンとして知られるダ・ヴィンチですが、お肉を効率よく焼く機械を発明しています。
ダ・ヴィンチは、このように言っています。
「これが正しい肉の焼き方である。炎の火が弱かろうが強かろうが、ローストされる肉はそれに応じてゆっくりとあるいは早く回転するからである。」
この肉焼き機は、かまどの内部に設けられ、熱から発生する運動エネルギーを応用した機械です。
燃焼して暖められた空気は上昇して、上部に取り付けられたプロペラを動かします。
すると、プロペラの動きと連動して横棒が動く仕組みになっており、肉がついている串が回転します。強い炎はどんどん熱い空気を生み出し、回転速度を上げて肉を焼きますが、反対に弱い炎は、回転速度を遅くし、弱火の料理にふさわしい焼き加減になります。
現代では、タイマーつきの高機能オーブンが開発されていますが、ダ・ヴィンチは、ルネサンスの時代に最大限できる発明をしていたのです。
私たちもダ・ヴィンチに習って、日常をより便利に、より楽しくする工夫をしていきたいものです。